第13章 敵との戦い
_ここはまた別の災難エリアである。
「これで全部か。弱ぇな」
「よしっ!暁、大丈夫か!?」
『……っ…ぁ…』
襲いかかる敵(ヴィラン)達を倒した爆豪と切島は側で壁にもたれ座り込んでいる暁に声をかける。暁は少し身じろいだ後目を薄(うっす)らと開けた。
「暁!良かった、目ぇ覚めて」
『………』
「…?暁、どうしたんだ?どっか痛いのか?」
『……っ…』
「……どけ」
目を覚ましたが何も口を聞かない暁に困り果てる切島。そんな二人をじっと様子見ていた爆豪は切島を押しのけると暁の前に跪(ひざまず)く。
爆豪は暁の頭を片手で支えると、もう一方の片手で彼女の長い髪を優しく払い除けて細く白い首を露(あらわ)にした。その首には…
「!!…チッ」
「何だコレ…酷ぇ…」
『………』
暁の首には片手で首を締められたような手形があり、その手形を中心にして首が崩れていた。暁はそのせいで苦しんでいる様子だ。
「どうする!?早く診てもらわねぇと…皆も助けに行かねぇと!!」
「行きてぇなら一人で行け。俺はあのワープゲートぶっ殺す」
『…!!』
暁はハッと爆豪を見る。切島も驚いて爆豪を見やる。
「はあ!!?この後に及んでそんなガキ見てぇな…」
「うっせ!」
“ガキ”と言われ気に触ったのかすぐキレる爆豪。
「あのゲート野郎は敵の出入口だぞ!いざって時に逃げ出せねえよう元を閉めとくんだよ!モヤの対策もねぇわけじゃねぇ…」
「ペチャクチャダベリやがって!その油断が…」
「っ!!つーか」
_バゴォン!
「生徒(おれら)に充てられたのがこんな三下なら、大概大丈夫だろ」
そう言って爆豪は先程飛びかかってきたカメレオンのような敵(ヴィラン)を“個性”で爆破させた。