第13章 敵との戦い
_ここはまた違う災難エリアである。
「散らして殺す…か。言っちゃ悪いがあんたら、どう見ても「“個性”を持て余した輩」以上には見受けられねぇよ」
「こいつ…!!移動してきた途端に…本当にガキかよ…いっててて…」
一人飛ばされた轟は瞬時に“個性”を発動し敵を行動不能にした。彼の体の右側から発動された氷は瞬く間に地を這い敵の足元から頭の先まで広がり、唯一顔だけを残して留まっている。
「(オールマイトを殺す…初見じゃ精鋭を揃え数で圧倒するのかと思ったが、フタを開けてみりゃ生徒(俺達)用のコマ…チンピラの寄せ集めじゃねぇか)」
轟は正直、拍子抜けだった。平和の象徴とまで呼ばれるプロヒーローのトップを殺すなど、余程の者達が集まらないと出来る芸当ではない。
「(見た限りじゃ本当に危なそうな人間は4〜5人程だった…)」
ふと気を失って敵に囚われていた友人を思い出す。彼女は今無事だろうか。飛ばされる前にクラスメイトに保護されていたので、一緒に飛ばされた確率は高い。
「(とすると俺が次にとるべき行動は…)」
「なあ、このままじゃあんたら、じわじわと体が壊死していくわけなんだが…俺もヒーロー志望。そんな酷え事はなるべく避けたい」
「あのオールマイトを殺れるっつう根拠は…策って何だ?」