第13章 敵との戦い
_ここは先程生徒達が集まっていた所とそう変わらない場所である。ここには飯田、麗日、砂藤、障子、瀬呂、そしてスペースヒーロー13号がいた。彼らは黒霧と対峙している。
「障子くん!皆は!?居るか!?確認出来るか!?」
「散り散りにはなっているがこの施設内にいる」
「クソっ…!物理攻撃無効でワープって…!!最悪の“個性”だぜおい!!」
この場にいる者の殆(ほとん)どは物理攻撃が売りの“個性”を持つ者ばかりだ。その為、黒霧との相性は最悪だ。
「…………委員長!!」
「は!!」
「君に託します。学校まで走ってこの事を伝えて下さい」
「っ!!」
13号の指示に戸惑いを感じる飯田。彼としては敵だらけの場所に仲間を放って自分だけ逃げるなど考えられないからだ。
だが学校に連絡がつかない以上、妨害している敵(ヴィラン)をわざわざ探し出して倒すより、この中で最も足が早い飯田が学校へ伝えに行く方が早いと判断するのが妥当だ。
「しかし、クラスの皆を置いてくなど委員長の風上にも…」
「行けって非常口!!」
飯田の言い分を遮り砂藤が叫ぶ。それに続き瀬呂や13号、麗日も飯田に行ってほしいと叫ぶ。
「外に出れば警報がある!だからこいつらはこん中だけで事を起こしてんだろう!?」
「外にさえ出られりゃ追っちゃこれねえよ!!おまえの脚でこのモヤを振り切れ!!」
「救う為に“個性”を使って下さい!!」
「暁ちゃんの事も心配だし…お願いね、委員長!!」
その会話を聞き呆れる黒霧。
「手段がないとはいえ敵前で策を語る阿呆がいますか」
「バレても問題ないから語ったんでしょうが!!」
13号が黒霧に攻撃を仕掛ける。
「ブラックホール!!!」