第11章 学級委員長の座は誰に!?
「おいっそろそろ先生来るぞ!」
鋭児郎君がそう発言すると、皆は席に戻り始める。
私も自分の席の方を見ると、百が自分の席に着いているのが見えた。昨日の事のせいで気まずいけど…今はどうしようもなかった。
自分の席に着くと、私から右斜め前の席にいる轟君が話しかけてきた。
「…お前、気をつけろよ」
『え?…あ、ごめんごめん。まほ…“個性”解いとくの忘れちゃってて_』
私が慌てて謝ると、轟君は頭を振って否定した。
「そっちじゃねぇよ」
『…?』
「…もういい」
私が首を傾げると轟君は私に呆れたのか、悟(さと)らせるのを面倒になったのか、前を向いて話を終わらせた。
その間に別の所で会話していた男子二人の話を私は知らない。
「くっそ~、後もうちょいで見える所だったんだけどな…」
「つか八雲に気づかれなくてよかったな」
「窓から身を乗り出した女子生徒…そして短いスカート…プラス真っ白な肌に黒のニーハイ…さらにはその上の絶対領域!」
「中までは見えなくともせめてあの光景を永遠に保存しときたかった!」
「お前らクソかよ」
「二人とも気持ち悪いわ」
鳴上と峰田の会話を聞いた耳郎と蛙吹は呆れたような軽蔑したような視線を二人に送った。