第11章 学級委員長の座は誰に!?
「急で悪いが今日は君らに…」
妙に間を貯める相澤先生。…まさか…
「「『また臨時テスト!?』」」
「学級委員長を決めてもらう」
「「学校っぽいの来たー!!!」」
学級委員長…確かクラスをまとめたり物事を決めたりする人、いわばクラスの代表みたいな人だよね。
「委員長!!やりたいですソレ俺!!」
「リーダー!!やるやるー!!」
小中学校や普通科とかなら、絶対やる人いないんだろうけど…流石雄英と言ったところか。
『皆凄いなぁ』
「静粛にしたまえ!!“多”をけん引する責任重大な仕事だぞ…!」
突然天哉君が立ち上がる。
「「やりたい者」がやれるモノでもないだろう!!周囲からの信頼あってこそ務まる聖職…!」
「民主主義に則(のっと)り、真のリーダーを皆で決めるというなら…これは投票で決めるべき議案!!!」
確かに、仮に自分達のリーダーになるのなら、自分が信頼している人や納得のいく人がベストだ。
「日も浅いのに信頼もクソもないわ飯田ちゃん」
「そんなん皆自分に入れらぁ!」
『自分に入れるってアリなの!?』
「だからこそ、ここで複数票を獲った者こそが、真にふさわしい人間ということにならないか!?」
「どうでしょうか先生!!!」
「時間内に決めりゃ何でもいいよ」
「ありがとうございます!!!」
相変わらず緩いなぁ先生…でも、多分これは生徒の自主性を尊重したからだろう。ちゃんと私達の事を考えてくれているからの言葉だ。
『…誰に入れよう』
天哉君によって全員に素早く配られた投票用紙…という名の掌サイズの白紙。
“声”を聞いてみると、ほとんどが自分に投票している。というか、それぞれの自我が強くてうるさいくらいだ。そのせいで近くの人の“声”も聞こえない。
主に主張が強いのは…
『(勝己君の“声”が一番うるさい)』
勝己君には入れない方がいいな、絶対。
ふと前を見る。百はもう書き終わった様子で、投票用紙を裏面にして前を向いて座っている。きっと迷うこと無く自分に入れたのだろう。
『(私は…)』