第11章 学級委員長の座は誰に!?
教室に着くと、皆ザワザワと騒いでは窓から校門の方を覗いている。やっぱりマスコミとか気になるのかな。
「何故教室の方が騒がしいんだ…?」
『ふふ。多分記者さん達が気になるんだよ。皆ヒーロー志望だし、マスコミの目とか気にするんじゃないかな』
「八雲君!常闇君!おはよう!」
『おはよう天哉君』
「…朝から色々騒々しいな…」
元気よくこちらに来た天哉君に常闇君は憂鬱そうな目を向けた。朝からストレス溜まるのも無理もない気がする。
『皆そんなにマスコミが気になるの?』
「ああ。だがしかし…どちらかと言うと、君のせいでもあるな」
『私??』
あれ、何かしたっけ。
首を傾げて常闇君の方へ目を向けると、彼はもう自分の席の机に腰をかけていた。早速天哉君が注意に向かうのが見える。
私も自分の席に向かいながら考えてみる。何したんだろ…?
自分の机の横に鞄をかけて窓際へと向かう。こういうのは目撃者に聞こう。
『おはよう、皆』
「おお、おはよう!八雲、さっきの凄かったな!」
「私も見てたー!ホントに凄いよね、あの霧!」
「マスコミの人達、電信柱にインタビューしてるわよ」
あ、そういう事か。
鋭児郎君と透と梅雨ちゃんに話を聞いて、ようやく合点がいった。皆、電信柱にインタビューをしているマスコミに注目しているんだ。
『記者さん達に悪い事したなあ…』
ネットとかに上がりでもしたら大変だ。私は窓を開けて身を乗り出すと、記者さん達の方に向けて息を吐く。
『モード〈幻竜〉…(フーッ)』
吐いた息は淡い虹色の霧となり、マスコミの方へ向かっていく。やがて霧がマスコミを包み込むと…
「…あれ?オールマイトは?」
「いつの間に消えたんだ!?」
「ちょっと!なんで私達、電柱の周りに集まっているの!?」
『(戻った…)』
あんまり大掛かりな事をするもんじゃないな。次からは気を付けよう。
そう反省し、窓から乗り出していた体を引っ込めると、後ろから落胆の声が聞こえた。
振り返ると峰田君と上鳴君がガッカリした様子だった。両者共にケータイを構えている所を見ると、マスコミを撮ろうとしていたようだ。
『駄目だよ二人とも。記者さん達を写真でとっても、面白いことなんて何にもないよ』
「いや、うん、そうなんだけど…」