第6章 雄英高校入学
百(もも)と話して時間を潰していると、段々人が増えて教室が賑やかになっていく。
私はこの人達と一緒にヒーローを目指していくんだな、と思っていると突然何処からか男性の声が聞こえてきた。
「友達ごっこなら他所でやれ」
どうやら教室の隅にあった寝袋に入っていたらしい男性はもそもそとはい出てくる。途端にクラス中がシン、と静まった。
「ハイ静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君達は合理性に欠くね」
先生…なのかな?と言う事は彼もプロヒーローなのか。
『(ヒーローならもうちょっと身だしなみを整えた方がいいと思うけど)』
「担任の相澤消太だ。よろしくね」
『(しかも担任か…まぁ人によって個性が違うし、あの服装も先生にとっては仕事服なんだろうなぁ)』
私がそんな事を考えている間も先生の話は進んでいく。どうやら体操服に着替えた後、外で個性把握テストをやるらしい。
式もガイダンスも無しか…自由過ぎやしないか?
茶髪の女の子が突っ込んでいたが、相澤先生は特に気にすることも無く質問に答えていた。
「体操服はここに置いておくから、自分のサイズ見つけて着替えろ。その後グラウンド集合だ」
そう言って先生は去っていった。先にグラウンドに向かったのだろう。
『“個性把握テスト”か…誰を使おうかな?』
これまでの十年間、フェアリーテイルの皆に貰った力を鍛え上げてきた。その力を試すにはうってつけだ。
「暁お姉様!お姉様の分、取ってきましたわ」
『ありがとう百。でもなんで私のサイズ分かったの?』
「暁お姉様の事なら私、なんでも分かりますわ!」
『流石、百は凄いね』
一緒に更衣室行こっか。そう声をかけると百は頬を染めて嬉しそうに頷いた。