第19章 うなれ体育祭!!
《雄英体育祭!!ヒーローの卵達が、我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!》
《どうせ、てめーらアレだろ、こいつらだろ!!?》
《敵の襲撃を受けたにも拘わらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!》
《ヒーロー科!!1年!!!_A組だろぉぉ!!?》
プレゼントマイク先生の声が拡声器越しに聞こえる。
…うん。いつもより、だいぶ五月蝿い。
ゲートから入場すれば、頭上の観客席には人、人、人。
本当に大魔闘演武みたい。周りを見渡して改めて思う。
あの時、ラクサスとミラが無理矢理私をFAIRYTAILのBチームに引き入れたんだっけ。ラクサスに担がれながら迷路を抜けた事を思い出す。
ミラは味方だと思っていたのに…あんなにノリノリな彼女は久しぶりに見た。ガジルにも止めてほしかった。
しかも迷路はほとんど私頼りだったし…私が居なかったらBチームはどうなっていたのだろう。
それなりに楽しくて、ちょっぴり大変だった複雑な過去を思い返しながら前に進む。
1-Aに続き、別のゲートからも他クラスがぞろぞろと集まってきた。
全クラスが入場・整列(順番バラバラ)を終えれば、前の舞台に刺激的なヒーローが鞭をし鳴らせ出て来た。
「選手宣誓!!」
18禁ヒーロー、ミッドナイトである。名前が彼のギルドと同じ人がいるから、少し複雑。
彼女の姿に周りがざわめくも、彼女自身がそれを制する。
「静かにしなさい!!選手代表_1-A!!八雲暁!!」
……え、私?
名指しされ固まっていると、後ろから愛龍にど突かれた。早く行けという事だろう。雑い。
「代表って暁さんなんだね!」
「あいつ一応、入試一位通過だったからな」
「お姉様ですもの。当然ですわ!」
後ろで皆が話をしているのが聞こえる。
ちなみに、愛龍が1-Aに来てから、皆は私達を下の名前で呼ぶようになった。苗字が同じだから紛らわしいとの事。
舞台に立ち、目だけで周りを見渡す。こういうのは苦手なのだけど…仕方がない、腹を括ろう。
『宣誓!!私は…如何なる相手でも、常に全力を尽くし戦います。手抜き勝負なんてしないから、皆も全力でぶつかって来て下さい!!』
_そして私が、一位になる。