第19章 うなれ体育祭!!
言い終えて礼をすれば、会場全ての人からの拍手と歓声が起こった。
愛龍の所まで戻ると皆が素晴らしかったと褒めてくれた。目立つのは苦手だけど、皆が喜んでくれるならいいかな…。
歓声が鳴り止まない中、ミッドナイト先生は無理矢理進行を始めた。
「さーて。それじゃあ早速第一種目行きましょう。
いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ(ティアドリンク)!!」
舞台上にモニター画面が現れ、種目名が映し出される。
「さて運命の第一種目!!今年は……コレ!!!」
_[障害物競走]
「初っ端から面倒いな…」
『そんな事言わないの』
だらける愛龍を宥めつつ、先生の説明に耳を傾ける。
─コースはスタジアムの外周約4km。
─コースさえ守れば“何をしても”構わない。
『“何をしても”…か。ねえ、愛龍』
スタート位置につきながら愛龍にたった今思いついた提案をこそりと話してみる。
「暁、お前さっき“全力で相手する”とか言ってなかったか」
『それは相手に“なれれば”の話だよ』
「お前、たまに黒くなるよな…乗った」
意地悪い顔で口角を上げる愛龍。めんどくさがり屋な彼だからこそ、妥協案で乗ってくれる策だ。
カウントが始まる中、愛龍と二人手を繋ぎ魔力を高め混じり合わせる。
周りは前を見つめるばかりで、私達のする事に気付く気配も無い。
…何年ぶりだろう、この技をやるのは。
「…スタ───ト!!」
さっそく前で轟君が仕掛けてるけど…もう遅い!
『“水流昇霞(ウォーターネブラ)”!!』
「“氷欠泉(アイスゲイザー)”!!」
『「_“ユニゾンレイド”!!!」』
これが本当の宣誓…なんてね。