第17章 真実を話す時
私達の正体。
私達の世界の事。
FAIRYTAILというギルドに拾われた事。
そこで過ごした日々。
そして、私が死んでしまった事。
全てを話した。
皆は緊張した面持ちで聞いてくれていた。
私は誰とも目を合わせれなかった。ただ、前を向いて、真実を話した。
『…そして私は、FAIRYTAIL初代マスターであるメイビスによってこの世界に送られて来たの。やがてこの世界を包み込む“闇”から守りに』
『無理に信じろ、なんて言わない。私達を拒んでも_』
「んなことするわけねえっ!!」
『っ!』
ガタンッと音がした方を見れば、切島君が席から立ち上がり、涙を浮かべながら拳を握り締めていた。
「お前らは俺達を守りに、命かけてまで敵連合(あいつら)に立ち向かってんだろ!?拒むなんてできるか!!」
「切島ちゃんの言う通りね」
『梅雨ちゃん…』
梅雨ちゃんの方を向けば、彼女も涙を拭いながら優しく微笑んで私を見つめる。
「暁ちゃん。USJの時のお礼、まだ言ってなかったわね。あの時の敵連合に向かって行く暁ちゃん…とってもかっこよかったわ。本当に“ヒーロー”みたいだった。おまけに怪我まで治してくれて…本当にありがとう」
『…梅雨、ちゃん…』
「そういえば私もお礼言ってなかった!」
「俺もだよ!ありがとうな、八雲!」
俺も、私も、と皆が私に感謝を伝えてくれる。
「…少なくとも、“1-A(ここ)”にはお前らを拒む奴なんていない」
『相澤先生…』
視界がぼやける。
受け入れてくれた事も、自分達を信じてくれた事も嬉しかった。
『ありがとう。これからもよろしくね!』