第17章 真実を話す時
私達の話でまるまる一時間も使ってしまったとはいえ、授業の時間はまだ残っている。後の時間は何をするつもりなのだろうか。
「ねえ相澤先生!この後ヒマなんだから、暁ちゃん達への質問タイムにしようよー!」
『質問?』
「いいなーそれ!俺も聞きてー!!」
透がふと思いついたように言い出す。それに便乗する上鳴君。
「オレはパス」
「何言ってんだ八雲…俺もお前らに一言物申す事がある!!」
『峰田君?』
「お前らは一体どこまでいってゴボッ」
『私と愛龍はそんな関係じゃありません』
「…オレこいつ嫌いだわ」
いかがわしい事を言おうとした峰田君を“水流拘束(ウォーターロック)”で黙らせる。愛龍も溺れる峰田君を汚物を見るかのような目で見ている。
「確か愛龍ちゃんは元々エクシードっていう猫なのよね」
「私猫大好き!!やってやってー!」
「………フン」
女子達の希望に応えたのか、単に煩わしかったのか、愛龍がエクシードの姿に戻る。
皆が感心したのもつかの間、愛龍はさっさと私の腕の中に飛び込んで来た。私が咄嗟に受け止めると、愛龍は満足そうに腕の中に収まった。
「ずりぃぞ八雲ー!!_ウゴッ!?」
「俺もそのダイナマイトバディにグハッ!!」
「お前らマジでクソかよ」
男子達のブーイング(上鳴君と峰田君)を響香がイヤホンジャックで止める。…痛そう。
『まあまあ…質問って言ってたよね。何が聞きたいの?』
この言葉を聞いた瞬間、皆が一斉に質問攻撃を仕掛けてきた。