第17章 真実を話す時
敵連合がUSJに侵入してきた翌日、学校が臨時休校となったが、皆の気が休まる事は無かった。
そして次の日。
『…気まずい…』
八雲は1-Aの教室のドアの前に立ち尽くしていた。
皆はもう教室の中にいるようだ。ここで入ったら皆の注目を浴びること間違い無しだ。
「皆ー!!朝のHR(ホームルーム)が始まる。席につけー!!」
『っ!?』
やばい、大分マゴマゴしていたせいでもうそんな時間になってしまった。
『(ど、どうしよう…)』
「…何してんだ八雲」
『あっ相澤先生、おはようございます』
声をかけられ横を見れば相澤が立っていた。彼の気配にも気が付けない程に気が滅入っていたらしい。
相澤は一昨日に大怪我をしたとは思えない位に回復していた。後遺症も残らなかったと聞いたし、13号も今日から完全復帰になったのだろう。
「…まあ、そうなるわな。お前の気持ちも分からんでもないが…1-A(あいつら)を信じてやれ。助けてくれた奴を突き放す程、あいつらも落ちぶれてないだろ」
『相澤先生…』
事前に校長から話を聞いていたからか、八雲の事情や愛龍、異世界の存在は一応受け入れているらしい。
相澤は八雲の頭をポンポンと撫で、自身の背後に目を向ける。
「今日から“こいつ”もこのクラスに仲間入りだ。ちっとは気が休むだろ」
『え…!』
八雲は相澤の後ろにいる人物を見て唖然とする。校長と話し合って決めた事なので知ってはいたのだが、実際に目にすると言葉を失ってしまう。
「……」
「俺が合図するまで入るなよ。行くぞ八雲」
『はい!…じゃ、後で』
八雲が手を振ると、彼はコクリと頷いた。