第16章 戦いの後で
『(でも他に方法は無いし…)』
彼に他意が無い事は充分知っている。だからこそこの距離感を保てているのだ。
「なら、僕にいい考えがあるよ」
『!!本当ですか』
「ああ。それはね…」
根津の話を聞いた八雲はとても嬉しそうに見える。愛龍も異論は無いのか満足そうだ。
「そうと決まれば早速行動だ。愛龍を借りていくよ」
『はい!よろしくお願いします。またね、愛龍!』
「おー」
愛龍が根津の影に潜ったのを確認した後、根津は病室を出て行った。
八雲は布団に潜り込むと、高鳴る鼓動を抑えながら眠りについた。
『…今度こそ話すんだ。皆に、本当の事を』