第4章 インターハイ
「何ッ!?お前、女がいたことはないんか!?」
ベプシを飲みながら何故かそんな会話になった。
「ッかぁー!気の毒じゃのう!」
そう言って待宮は頭を抱えるようなリアクションをした。この話になってからの待宮の饒舌ぶりとそのワザとらしいリアクションがやたら勘に触り、荒北は早く話を切り上げたくて仕方がなかった。
ったく、、、あんな約束するンじゃなかったぜ、、、。
荒北は心の中で溜息をついた。
「ッセ!、、、俺ァ、んなもんいらねーんだヨ!」
「エッエッ!そんな事言って荒北ァ。お前さん、おおかた好きな女ァ前にして、何も言えんタイプじゃろう?」
「アァン!?バァーカ!!何を根拠に、、、」
「エッエッエッ!その反応は当たりじゃあ!しかもお前さん、その女に好きな奴との仲を取り持ってほしいとか言われても断れんタイプと見た!」
「ブフッ!」
図星を突かれて荒北はベプシを吹き出した。
「エッエッ!持ってないのぅー」
「その笑い方やめろっ!ゲホッ!、、、イライラすンだヨっ!」
「そんな事言って、道の上では狼でも女の前では震えるチワワかァ?お前さんはなかなかエエ男じゃゆーのにのう。男にばっかモテても意味ねーじゃろ?」
待宮は大袈裟に溜息をついた。
「ウッセ!道の上で俺に負けたお前に、何で俺がそんなカンケーねぇ話でごちゃごちゃ言われなきゃなんねーンだヨ!!」
「それもそうじゃのっ」
と今度は待宮はサラッと荒北の言ったことに手を叩き同意をした。
、、、何なんだヨ、コイツぁ。ほんッとにコイツと話してると調子が狂うぜ。
こういう所も、、、アイツに似てるんだよナ、、、。
何つーか、、、俺、コイツらに振り回されてばっかじゃナァイ!?
荒北が苦虫を噛み潰したような顔をしたのを見て、待宮はまた嬉しそうに笑った。
そして待宮は飲み終えたペットボトルをゴミ箱に投げ入れると去り際、荒北の肩に手を置いてこう言った。