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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第12章 AfterStory 隣の彼は返事をしない


「ケド、これが不思議と隣にいて悪い気はしねぇんだよな、、、」

「ん?何?」

「何でもないでーす」

「何だよ、気持ち悪い」

「アァン!?」

「何でもないでーす」

「コノヤロ、真似すんな!!」

「あ!そういえば金城さんとは最近どう?」

「、、、」

こういうトコね、ムカつくよね。


「おーい、返事は?」

「どうって、普通!夏休み、一緒に免許取りに行ってくる」


アイツはいつも通り無愛想で、最近はこれまでにも増して気合いが入ってやがる。

「あ!そういえば、冷凍庫でベプシ冷やしてんだった!飲む!?」

「返事急かしといてそれは無くナァイ!?」

「ん?何が?」

「、、、」

「え?飲まないの?」

「、、、」

「靖友?靖友くーん!」

「、、、」

「あーあ、グラスも冷凍庫でキンキンにしてるのに、飲まないのかぁ〜」

「、、、飲む」

「え?聞こえなーい!また返事してくれないわけ?また泣いちゃうかも!!」

「はーい!はい!飲む!飲むって!!」

「素直でよろしい!」

「チッ」

舌打ちをして顔を逸らそうとしたその瞬間、


ちゅっ


頬に触れる柔らかいものに心臓が飛び跳ねる。


「ンなっ!!」

「ふふ、素直に返事できたご褒美」

「、、、勝手にやってろ」




たぶん俺はこれからも。
こんな風にコイツの隣で。


不貞腐れる9、喜ぶ1くらいの割合で過ごしていくだろう悪い予感がする。


「はぁー、、、何でこんなので熱くなるんだ?ちくしょー」


自分の頬をパンッと叩いて頭を冷やす。


「幸せでしょ?」

「、、、」

「靖友、幸せ?」

「、、、言いたくねェ」

「私は幸せだよ」

「ッ!!テメッ、そういう恥ずかしいことを言うな、バカ!」

「幸せじゃないの?」

「ッ」


そうだ。悪い予感しかしねぇ。
だけど、それでも俺は多分。



「はぁ、まぁ、幸せ?なんじゃナイの?」

「何それ!他人事じゃん!!」




バカな話をしながらコイツが隣でケラケラと笑ってる。
それだけで。



「不本意だからナ」

「何それ?」

「、、、不本意だが、仕方ねェからずっといてやるよ」

「は?何それバカなの?」

「テメェと会ってからずっとバカだヨ」

「ふふっ」

「ハッ」




俺はこんなにも幸せだ。







おわり





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