第4章 インターハイ
そして私は水泳部も水泳教室もやめて、髪を金色に染めた。心の中のモヤモヤを消すように、毎日好きなことをしては人に当たった。
そんな時、佳奈に出会った。
「えっと、香田さん?先生が呼んでるよ」
「知ってる。面倒くさいから行かねーだけ」
「じゃ私も一緒に行くから、ね?」
誰もが避けていたのに、佳奈だけはなぜか笑顔で話しかけてきた。顔は知ってる程度の地味な奴、そんな印象しかなかった。
「いらねーよ!ってか話しかけんな!」
「あ、ごめん。ウザイ、、よね。私友達いないから、つい話すきっかけができて嬉しくて、、、」
私と話せて嬉しい?変な奴。
でもそうやって少し悲しそうに笑った佳奈が、なんだか自分と同じに見えて。
ねぇ、アンタも1人なの?
放っておけなかった。
「、、、わかったよ、アンタも一緒に来たら?」
「え!いいの?」
「どーせ怒られに行くだけから面白くないと思うケド、、、それでもいいなら」
「いい!私も一緒に怒られたい!」
、、、ホント、変な奴。
それから何となく一緒にいるようになった。
佳奈は私が水泳をしてたことも知らなくて、、、ってホントぼーっとしてるっていうか、なんていうか笑
そんな何も取り柄のない私でも唯一味方でいてくれる友達だった。
けれど、ふとした時に現れるんだ。昔の事を引きずる自分が。
そんな時は佳奈を見送った後、1人フラフラして、たまに悪さもした。そんな自分が佳奈といていいのかって、また後悔して、悲しくて。情けなくて。
動けなかった。
巧に会ったのはそんな時。
私の悪い所も知って、私の過去を知っても一緒にいて笑ってくれた。
そのままでいいんだよって言ってくれたから。
何も求めず許してくれたから、少しずつ忘れて。
この人の為に生きようって思ったんだ。
佳奈がいて巧がいる世界。
それだけで幸せだった。