第4章 インターハイ
アキちゃん?
アドレスのアキちゃんって、、、彼女か?
アイツもアドレスに女の名前を入れるなんてベタなことするんだな。
ダッサ、、、。
、、、、、、、
って、なんだよ、この沈黙はっ!
これじゃ私がショック受けてるみたいじゃん!
ナイナイナイナイ!
うん、ナイわ。
ガチャと裏返しに置かれるスマホ。
「、、、なんかシラけた、、、」
私は何を勘違いしてたんだろう。
そうだ、私にだって巧がいるように
荒北にだってアキちゃんがいる。
なんの不思議もないじゃん。
なぜか沙織の頭の中には、屋上で眠る荒北の顔が浮かんだ。
どうして自分は特別だなんて思ったんだろう。
どうしてアイツのあんな顔を知ってるのは自分だけだなんて思ってしまったんだろう。
「バカだなぁ、、、」
どうして、うまく息ができないんだろう、、、
どうして、
あんなに楽しかったんだろう。
「香田さーん!ちょっとヘルプ入れるかなー?」
同僚が厨房から沙織を呼んだ。
「、、、はいっ!すぐ行きます!!」
沙織は手付かずの唐揚げ弁当をそのままに休憩室をあとにした。