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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第4章 インターハイ


1日目のレースが終わり、表彰式が行われる中、荒北はテントの中で項垂れていた。
全身から汗が滝のように吹き出していたが気にもならない。

「クッソ、、、」


1日目の最終ゴールの結果は、3校の同着1位だった。
ブッチギリで1位を取る自信があった。
しかし現実は、千葉の1年エリートとほぼ同時にエースを発射させ、その後、京都の1年に最後のゴール争いを許した。京都の奴に関しては、足を使いきり、妨害することさえできなかった。
エースアシストとして福富に単独1位を取らせることができなったことが悔やまれた。

「くそダッセーな、、、俺」

福富、東堂、真波は表彰式に行ったが、荒北はそんな気にはなれなかった。
そういやァ、新開はどこに行ったんだ?

自分の不穏な空気で後輩達はビビっている。そういうのを見るのも嫌になって、荒北はテントの外にでた。
すると、そこには爽やかに笑う新開がいた。
「靖友!ちょうど良かった」

コイツ、、、何笑ってンだ?呑気な奴だぜ、、、。
文句の1つでも言おうとした時、新開の後ろから、ひょこっと小さいのが出てきた。

「あ、荒北くん?」
「ぐ、、、っ」
荒北は舌の方まで出かかった言葉を慌てて飲み込んだ。
岩元佳奈だ。
荒北はすぐに顔を背けた。
何でチビ眼鏡がいンだヨ!
、、、今の顔、コイツには見られたくねェんだヨ、、、。

「表彰式で会ったんだよ、ね、岩元さん」
「う、うん。そうだね」
佳奈は頬を赤くしながら、はにかんでいる。

チッ、何だヨ、、、嬉しそうな顔してんじゃねーつぅの。

「あ、あのね、応援に来たんだ」
「ありがと。嬉しいよ」

ウッゼ、イチャついてんじゃねェ!
荒北は不貞腐れた。

「そういえば沙織ちゃんは?」
新開が聞いた。佳奈が来てるということは沙織も来ていると思ったらしい。
「あ、、、沙織ちゃんはバイトなの。断られちゃった」
「そっか、、、」
新開はとても残念そうに目を伏せた。
「あ、でもね、3日目はバイト無いみたいだから来るかも!って、、、これも私が勝手に誘ってるだけなんだけど。荒北くんも出るよ!って言ったんだけど。」

そーかァ、アイツは、来ねぇのか、、、。
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