第3章 夏は夜
「若いっていいねー」
巧は目を細くして笑った。
「ち、違うんですっ!そんなんじゃ、、、」
佳奈は口をパクパクさせた。
「あ、沙織。そろそろ時間だし、そのパフェ食べ終わったらバイト入ってね」
「はーい」
巧はそう言って微笑み、仕事に戻った。
「ハァー」
佳奈はため息をついてパフェをつついている。
「まぁまぁ。ほんとにアンタが見たいのは新開なんでしょ?」
「うぅー」
佳奈はなかなか認めない。
「あーあ、荒北の応援はいないのか。可哀想に」
沙織はわざとらしく眉を下げた。
「もちろん!荒北くんも応援するよ!」
「も?やっぱり本命は新開なんじゃん」
沙織は言いつつパフェを頬張る。
「ひ、ひどい!」
佳奈は開いた口が塞がらない。
その様子を見て、沙織は再びニヤリと笑うのだった。