第3章 夏は夜
何でアイツまでこっち見てンだヨ!
っつーか、あの野郎、なんか俺を見て笑ってなかったかァ?
、、、、
やっぱ、アイツが綺麗だとか、話してて楽しいなんてぜってーにねぇ!
それになんか知らんが新開は怒ってるしよォ、、、
とにかく、、、俺ァもうアイツには一切関わらねー!!!
「っっって!何でテメェがいンだヨ!!」
昼休み、荒北が屋上に行くと沙織が寝ていた。
もう関わらねぇって決めたそばからコレかヨ、、、
荒北は深いため息をついた。
「、、、うるさいなー。いいじゃん、水泳の授業で疲れてンだから」
沙織は寝ぼけ眼で伸びをした。
「お前泳いでないじゃナァイ!!どこが疲れてんだヨ!」
「私、ひ弱だからさー日に当たるとダメなんだって」
「どーこがひ弱だ!つーか、ココは俺の場所なんだヨ、どっか行け!」
「屋上はみんなのものですー。私だって好きで来てないんだよ。教室はうるさいし、最近佳奈んトコにも行きにくいし、、、」
「ハァ?なんだヨ、それ」
沙織は俯き、屋上のアスファルトを指でなぞった。
何だコイツ、、、凹んでんのか?
荒北は仕方なしに沙織の隣にドカッと腰を下ろして、買ってきたパンを取り出した。
「佳奈もクラスに友達ができたみたいでさー。私が行くと迷惑かなって、、、」
「んな事、チビ眼鏡が言ったのかヨ?」
「いや、言われてないけど、、、」
さっきから沙織の歯切れが悪い。
荒北は少しイラっとした。
「ハッ!つー事はよォ、アイツはそんな事思ってねぇって事だろが」
「佳奈はそんなこと思ってても言わないよ。元々、私といなければ、アイツはもっと友達ができたんだよ。なのに、私に付き合って、、、」