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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第3章 夏は夜


荒北は新開達と話している中で、泳ぐ順番を待つ女子の中に沙織がいないことに気がついた。

ま、どーでもいいケド、、、

「そーいやさ、香田っていっつも水泳の授業休んでねぇ?」
そう言われて、見学者の方を見ると、確かにジャージを着た沙織がベンチに座り、眠そうにあくびをしていた。
「確かに。水着着てるとこ見たことないなー。スタイル良さそうだから、ちょっと見てみたいかも」

荒北は沙織のウェイトレス姿を思い出した。
少し開き気味の襟元や短めのパフスリーブから見えた首元や腕は白く細かった。そして膝上10センチはあるだろうタイトスカートからは、スラリと長い脚がまっすぐ伸びていた。
確かに、スタイルはいいかもナ。

「おっ前、そんなこと言ってるの知られたら殺されるぞ」
その一言で、荒北は沙織のタックルで宙に浮いたことも思い出し、すぐに顔を歪めた。
ま、死にはしなかったケド。
話してみたら結構楽しいし、、、
、、、、、
いやいやいやいや、俺は何を考えてンだヨ。
アイツと話すのが結構楽しい?ハァ!?
ふざけんな!口は悪いわ、態度は悪いわ、性格は悪いわ。悪いとこだらけじゃナァイ!!!
そーだ、アイツに良いとこなんかあるわけねェ。

「なぁなぁ、荒北はどう思う?」
「ハッ!どーせ、サボりだろ。それにあんな乱暴なヤツの水着姿を見たところで、どーなんだっつーんだヨ。」
それは荒北の精一杯の悪態だった。
「靖友、沙織ちゃんはサボりじゃない。それに彼女の泳ぐ姿はとても綺麗だ」
ふと隣を見ると、真剣な表情の新開が荒北をまっすぐ見つめていた。
というよりコレ、睨まれてンじゃナイ?
「ンだよ、それ。とにかく俺ァ、そんなことどーでもいいんだよ!」
荒北は新開のまっすぐな目を見ることができず、すぐに目を逸らしたが、その先にはたまたま沙織がいて、目が合ってしまった。
「チッ」
荒北はバツの悪さにすぐに目を逸らして、舌打ちをした。
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