第12章 AfterStory 隣の彼は返事をしない
もう堪えきれないというように。
眉をハの字に折り曲げて。
不安など吹き飛んだかのように。
「あははッ、、、はぁ、、、もう。金城サン、おかしい、、、っ。、、、うん、そうだよ。アイツは前からそんななの」
目に浮かぶ涙を拭いながら。
風に吹かれて揺れる緑のようにケラケラと。
君が笑う。
「変な奴でしょ?」
俺の言葉に。
俺の目を見て。
こんなに嬉しいことは無い。
入学式で見た何かを決意したかのような横顔。
講義室で見た真剣な眼差し。
プールで見たまるで時が止まったかと思うほどに集中した瞳。
そのどれよりもやはり君は
「だけど、そんなところも好きなんだ」
笑った顔が1番だ。