第12章 AfterStory 隣の彼は返事をしない
気まずい沈黙が流れた。しかし俺は彼女から目を逸らさないと決めていた。
「、、、はぁ」
彼女は半分呆れたように溜息をついた。
溜まっていたものを吐き出したように、次に顔を上げた時の彼女の表情は穏やかだった。
「、、、金城サンはさ、誰かと付き合ったことある?」
「は、、、?」
思いもよらなかった質問にどう答えていいのか分からなかった。
「あ、、、違くて。その、どうせ付き合ったことないでしょ、とかそういう意味じゃなくて、、、」
困ったように彼女が否定をする。
言われなくとも、そんな風に捉えてはいなかったのだが。
「そうじゃなくて、さ。付き合うってなんだろうって聞きたかったんだ。つまり、私、アイツとどう接していいのか分かんないだよね」
「、、、。」
彼女の横顔に長い髪がかかってその表情は見えなかったが、その声にいつもの勢いはなかった。