第12章 AfterStory 隣の彼は返事をしない
どうして、俺は、、、
こうやってただ突っ立って、金城に手を引かれて出て行ったアイツを見てるんだヨ、、、。
「あーあ、行っちゃったね。もしかして、彼女さん、あの人ともう出来ちゃってる?」
こんな事になるなんて思ってなかった。
返事をしなけりゃ、いつか、
俺のことを、あの声で、呼ぶんじゃねェかって。
テメェの都合のイイ方にばっか考えて。
アイツがどんな思いをするかなんて考えなかった。
「だってフツー彼氏の前で別の男と手繋いだりするかな?靖友ちゃん、可哀想、、、」
俺はただもっと、アイツの近くにいたかっただけで、
あんな、、、あんな顔を見たかったわけじゃねェ。
あんな今にも泣き出しそうな顔はいつ以来だ。
何で俺がアイツにそんな顔させてんだ。
ただ、、、好きだったんだ。
もっと俺のこと好きになってほしかった。
ケド、なぁ、そんな俺は可哀想か?
違うだろ。
「本当に酷いよね。私だったら靖友ちゃんにそんな顔させたりしないよ?」
、、、バァーカ。
変な意地で、ひどい顔をさせちまったのは俺の方だ。
「毎日一緒にいてあげる。連絡だって欠かさないよ?靖友ちゃんが言うんだったら他のことも何だって、、、」
「あぁ。そうかもな、、、」
当て付けみたいにこんな好きでもねェ女と一緒にいて、
アイツを試して、、、
っつか、試す?何様だ。
あークッソ!自分で自分にイライラするぜ!!
「じゃあさ、靖友ちゃんもいっそ私と、、、」
「ケド、、、俺は」
「え、、、?」
「、、、アイツの隣にいるって決めてンだ、ずっと前から」
そうだ、アイツの気持ちなんてどうでもいい。
そんなモンはもう今更だ。
「え?何?あっ!!ちょっと、靖友ちゃん!?」
俺はアイツを手離したくねェ。
あの女のまとわりつくような言葉を最後まで聞かないうちに、俺は講義室を飛び出した。
そう叫んで止まない
俺の心に従って。