第12章 AfterStory 隣の彼は返事をしない
「で?どこまでしてんの?」
「、、、ッ」
問い詰められて我に返る。
「アー、、、何にも」
実際なんにもねェな、、、。
気持ちばっかり空回ってるような気がする。
「え?ホントに何にも!?チューは?手は?」
「、、、繋いで歩いたことはねェな、、、」
「な!?えぇ!?何で!!いつも何してんの?」
そう聞かれて思い返す。
いつもの俺達。
「いつも、、、?たまに一緒に帰って、お互いの家でダベったり、メシ食ったり」
付き合う前よりは確実に近くなっている。
ケドそれ以上がなかなか踏み込めなかった。
「互いに家に行くのに何で何もしないの?勿体ねー!」
「何でって、そういう雰囲気じゃねェし、、、」
「それってさぁ、付き合ってるって言えんの?」
「ま、ゴリラ相手じゃそんな雰囲気にもならねぇか!」
「確かにー!」
「ウッセ!ゴリラじゃねェっつってんだろ、バァカ!」
コイツらに悪気なんて1ミリもねェ。
そんなことは分かってる。
それなのに、何でか俺の心臓はひどく騒ついて、ドクドクと鼓動するやたらと鮮明な音がただひたすら痛かった。