第12章 AfterStory 隣の彼は返事をしない
例えば昼飯を一緒に食えたらとか、例えば毎日一緒に帰れたらとか、考えたことねェっつーと嘘になる。
俺だって、鬱陶しいくらい四六時中くっ付いて、何の意味もねェ話を24時間しているようなバカになりたいと思う時もある。
そうだ、アイツとなら一度くらいバカになったって、、、。
会いてェよな、、、もっと。
ケド、必死に泳いでるアイツの姿を想像して、俺はいつも言葉を飲み込む。
そんなこと言ったら、アイツがどんな顔するのか怖かった。
「まぁ、美的センスが皆無な靖友クンの言葉よりもだな、写真はないの?写真!」
「あ、見たい見たい!ゴリラちゃん!」
「ゴリラじゃねェっつの!っつか写真だァ?ねェよ、ンなもん!」
「写真が無い!?それ、マジ?付き合ってどれくらいなの?」
「ハァ?アー、、、たぶん3ヶ月くらい?」
付き合った長さに何が関係するのか全然分からなかった。
っつか、俺達って正確にはいつからだ?
何となくそれっぽい月から指折り数えた。
「3ヶ月付き合ってて写真の1つもねぇの?夜な夜な見たくなんないわけ?」
「ア?なんねェヨ、気色悪ィ」
「気色悪いって!3ヶ月つったらまだ1番盛り上がる時じゃん!」
「そーだよ!ホラ、こう、あのタイミングはいつにしようか、とか色々さぁ!」
「バーカ、お前はいつもソッコー手ェ出すだろーがよ!」
「ま、そーなんだけど(笑)」
「で?靖友は?どこまで?」
「アァ、、、?」
どこまで?
ニヤケる2人を前に俺は考えた。
どこまでかっつーと、、、キスはした。
ケドよく考えるとあれが最初で最後だった。
ん?違う。いや、違わなくはねェんだケド。
俺はあの後何度かしようとしたんだ。アイツの合格を聞いた時、引越しの手伝いをしてる時、ふいにこうムラムラっと来て。
っていや、それだけじゃねェ!手だって、何度も繋ごうとしたんだ。
何度も、
アイツに触れたくて、
手を伸ばして、、、
ケド、どうしたら自然にできるのか、どうやったらチョットでもカッコ良くとか、オッサンはどうやってたのかとか、色々と面倒くせぇことばっかり頭に浮かんで。