• テキストサイズ

隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第12章 AfterStory 隣の彼は返事をしない


パタパタ。


「え?」


俯く俺の耳に足音、そして太く黒いハイヒールと細い足首に張り付くジーンズ。


「ほら、早く」


驚いた。
彼女が戻ってきた、水を持って。


「とりあえず水だけ飲んで早く財布探しにいこ」


そう言ってプラスチックのコップをグイッと傾けて、彼女はその水を一気に飲み干した。


「ぷはー、生き返るー!」


まるで酒でも飲んだみたいなセリフだ。


「ほら早く飲まないと、財布無くなるよ!」


「あ、あぁ」

ゴクリ。
彼女に促されてコップを傾ける。


「ふぅ、、、」


冷たい水が喉を通って胃に入っていったのが分かった。


「よし!行こう!!」


ガン!と乱暴にコップを返して、今度は彼女が俺の手を引いた。


その手には結露した滴が付いていて、ひんやりと心地良かった。
/ 356ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp