第10章 冬はつとめて
眩しい。
そんで、暑い。
、、、これは、夢かな?
だって今は冬だったハズだ。
ついこないだ
寒い寒い帰り道、アイツがマフラーをくれたんだ。
あったかくて、優しくて、、、昨日のことのように覚えてる。
だけど、どうして夏なんだ?
照りつける日差しが肌に突き刺さる。
あー、帰りたい。
帰って今すぐ冷たいジュースを飲みたい。
頭がボーッとするほどの大歓声。
五月蝿い、、、。
だけど、私はこれを知ってる気がする。
こんな景色を見たことがある。
、、、あぁ、そうか。
これはあの日の夢なんだ。
あーあ、これじゃ私、帰れないじゃん。
今すぐ楽になりたいのに。
『正直かなり厳しいだろ』
『無理だろ?今からじゃ』
ウルセェよ、マジで。
誰もが無理だと思う中で、アイツは前を向いて走ってくるんだ。
邪魔すんなよ。
はずなのに、、、アレ?
いつまでたっても自転車の音が聞こえてこない。
あの眩しい道の先から、か細い自転車に乗ったアイツが、、、
ってアレ?
来ない、、、。
どうして、、、?