• テキストサイズ

隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第10章 冬はつとめて


「そ、それはッ」

そーいうモンだろが!!


新開を払いのけながら言いかけた荒北の言葉は


「まぁ、というわけで!俺は佳奈と帰るから!靖友はちゃんと沙織ちゃんを送っていくんだぞ?」

という新開の言葉で遮られた。


「ハ、ハァ!?」

「え、ちょっと!!」

「あ、あの、新開くん!?」

驚く3人をよそに新開はサッと佳奈に駆け寄り、その肩に手を置いて言った。

「まあまあ佳奈。あんなに靖友は心配してたんだ。任せて大丈夫だよ」

「、、、」

佳奈は荒北と沙織を交互に見て少し考えて、


「それもそうだね!!」


と答えた。


「「ハァ!?」」


「荒北くん!沙織ちゃんをお願いね!」

「オイ!チビ眼鏡、テメェ何でそうなんだヨ!」

「そうだよ!佳奈!一緒に帰ろうって言ってたじゃん!」


「だって荒北くん、ホントはお昼休みに会いたかったんでしょ?」


「、、、ッ!!」


そ、そこも聞かれてたァ!!?

佳奈の言葉に悶絶して仰け反る荒北と、


「それに沙織ちゃんも嬉しそうに差し入れ食べてたでしょ?ちゃんとお礼言わなきゃ!」


「、、、ッ」

目を押さえて天を仰ぐ沙織。



2人とも何の悪気もなく笑う佳奈を責める気にはなれず、



「それじゃ2人とも!仲良く帰れよ!」



佳奈を連れ立ってヒラヒラと手を振った新開を睨みつけながら、ただ黙ってその背中を見送った。


/ 356ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp