第10章 冬はつとめて
「わぁ!荒北くんだっ!!」
「まぁ!荒北って、、、あぁ、あなたを見てくれって私を呼びに来た子ね!」
それを見て目を輝かせる佳奈達。
それに対して沙織は、
「、、、体調悪いやつにベプシってバカかよ。」
とボソっと毒づいて、
「グゥ、、、」
袋を開けた途端に香りたつメロンパンの甘い匂いに胃が動き出すのを抑えるのと、
「「んー?」」
にやけ顔で覗き込んでくる佳奈と先生から
この赤くなった顔を隠すことで精一杯で。
油断すると緩みそうになる顔の筋肉を必死で緊張させて、佳奈達から見ると少し可笑しなしかめっ面を終始貫いていたのだった。