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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第10章 冬はつとめて


「あー、イタタ、、、今、何時?」


騒がしくなった廊下の音に、むくっと起き上がると沙織は頭を押さえた。



あの後、荒北が呼んでくれたのだろう。すぐに保健の先生が来て言った。


「まだ少し熱があるけど、そんなに心配ないわ。疲れが出たんでしょうね」


「はぁ、、、」


熱があるのはまた別のが原因だと思うケド、、、。
沙織は苦笑した。


「まぁ、今はゆっくり寝て、起きてから教室に戻りなさい」


それから気絶したように寝て、今に至る。
自分でも驚くほど熟睡していた。
時計を見ると、ちょうど昼休みに入ったところらしい。


「先生はいないのか、、、」


辺りを見回すと、静かな保健室に1人きり。
寝る前には荒北がいて、必死でエアコンの温度を上げてたことを思い出す。


「ふふ、あれはちょっと面白かったな」


思わず笑みがこぼれたが、今はいないのかと思うと少し寂しくなった。


「ちょっとだけ、、、期待してたんだけどな」


もしかすると、、、また目覚めたらあの仏頂面が隣にいて。


「って。はは、そんなわけないか」


そう1人呟いた時、


ガタガタ!!


大きな音を立てて保健室の扉が開いた。


「え、、、!」


まさか、、、荒北、、、!?


パッとカーテンを開けると、そこには






「沙織ちゃん!!!」






佳奈が息を切らしながら立っていた。




「あ。なんだ。佳奈か、、、」

「え?何!?」

「いや、何でもない笑」

興奮気味の佳奈と、自分の都合の良さに苦笑が漏れた。


「っていうか、沙織ちゃん!大丈夫なの!?」

「あ、うん。もう、だいぶスッキリした」

「良かった、、、!もう、ホントに心配したんだから。あれだけ無理しないでって、、、私、、、」

安心したのか目を潤める佳奈に焦る沙織。

「あぁ、もう!佳奈。ちょっと貧血起こしただけだし、ほら大丈夫だから、、、」
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