第9章 break time④ 文学少女と荒くれ図書委員
2つ目は、あと少しだけこの物語を続けさせてほしいこと。
もう終わったことなのに「ウッゼ!」とか言われちゃうのかな?笑
だけどもう少しだけ、あなたと過ごしたあの居心地のいい場所のことを思い出させて?
それから家に帰ったらあなたのことを思い出して、思いっきり泣いてもいいですか?
本当に好きでした。
本当は始まっていたんです。
あの時、あなたのいる図書室に入った瞬間から。
扉を開けた瞬間、誰もいない静まり返った図書室で、ポカポカと暖かい春の日差しの中、俯き頬づえをつくあなたの姿を見た時に。
私の物語は始まっていた。
その物語はあまりにも眩しくて手放し難くて、今は思い出すと痛いけれど、だけど今私が嬉しいのは本当で。
だって私は知っているから。
面倒くさいと言いつつも、声をかけた瞬間パッと光るその瞳のことを。
いつも1人寂しげに赤本を見つめるその横顔を。
一度だけ何かの話の流れで聞いたことのある「俺は嫌われモンだからナ」という低い声を。
本当はずっと願っていたから。
その隣に誰かいてくれたらいいのにと。
願わくば、それが私だったらと。
2つ目は叶わなかったけれど、それでも、、、
「、、、良かった」
「え?何?」
「ううん、何でもないよ!あーお腹減ったね!」
「本当それ!!」
「私もペコペコ!ねぇ早く行こ!」
「うん!そだね!どこ行こ?」
「私、クレープ食べたい!」
「私、あんみつ」
「は?ワガママかよ」
それでも良かったと思うの。
荒北先輩の隣にあの人がいてくれて。
ふと窓から外を見下ろすと、先輩達が2人で何やら楽しげに言い合っていた。
それを見た私の頬は少しだけ綻んで。
やっぱり明日は図書室に行こうかな。
と思ったのだった。