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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第1章 春はあけぼの


放課後、荒北は部室で着替えていた。
すると、新開と東堂が喋りながらやって来た。
「オイ!てめーら、遅ぇぞ!」
「靖友!何で先に行っちゃうんだよ」
新開がロッカーを開けながら文句を言った。

「ケッ!今まで一緒に来たことなんかねーだろうが。それにテメェはいつもいつも女子に囲まれて遅ぇんだヨ!もう福チャンは行っちまってっからな!」
「おー!それは良い!そっちのクラスに可愛い女子はい
るのか?」
東堂が食い付いた、のは女子の話だ。

「んー皆可愛いよ。でも、1番綺麗な子は靖友の方に行っちゃったけど」
「何ッ!?それは本当か、荒北っ!」
「ハァ!?新開、テキトーなこと言ってンじゃねー!東堂がうっぜえだろが!」
「うざいとは何だ、荒北!それにしても新開、嘘はいかん!荒北に女子が付いていくはずがない」
「アァン!?どういう意味だ、テメェ!」
荒北は本当に綺麗な女子に心当たりがなかったが、とりあえず自分をけなした東堂に食ってかかる。

「嘘じゃないさ、東堂。靖友、昼休みに香田さんが行ったろ?」
「あぁ、あのデカ女か。」
「何っ!背の高い女子なのか?」
「あぁ。靖友より高いんじゃないか?」
「ハァア!?俺の方が高ぇ!!」

タックルで吹っ飛ばされたケド、、、
荒北は昨日の宙に浮いた感覚を思い出し、顔を歪めた。

「っつーか!アイツのどこが綺麗な女子だよ!」
「俺はクラスで1番スタイルがいいと思うぜ。それに顔も綺麗だ。」
「何っ!そーなのか!?それは一度、見に行かねばなるまいなっ」
東堂がニヤリとした。
「ッセー!そんなことぐらいでいちいち来んなっ!うっぜぇんだヨ!それに見に来て後悔するぞ!大体テメェは持ち上げすぎなんだヨ、新開!」
「そうかな」
新開は微笑んだ。
「新開、仕方がない。美的感覚に欠ける荒北には分からんのだよ。」
東堂がフフンと鼻で笑う。

「んだと!東堂!テメェ、ちょっと外に出ろや!」
「おーいいとも!俺の華麗な走りで一捻りしてやろう」
「ぜってー負けねェ!俺が勝ったらベプシ奢れヨ!」
「いいとも!俺が負けることなんて無い!」
ガヤガヤと荒北と東堂は出て行った。

新開はふっと笑い、パワーバーをかじった。
「よしっ!今日も走るか!」
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