第6章 秋は夕暮れ①
荒北は隣に座って先程渡したベプシを飲む沙織をチラリと見た。
沙織の喉がゴクリと良い音を立てて、プハーと威勢良く息を吐いた。
やっぱテメェはそうやって笑ってる方がいい。
荒北は静かに微笑んで、空を仰いだ。
そういや、あの日の空もこんな風に青くて、暑くて、、、
もうダメだと思った瞬間現れたお前を見て、俺はちょっと残念に思ったんだったな、、、。
お前は綺麗な服着て、綺麗に化粧して、、、
って、、、オイ。
それってやっぱ期待しちゃっていいんじゃ、、、。
、、、今思うとなんつー勿体ねェことをしたんだヨ。
意識があれば、ぶっ倒れてなきゃ、
こんな風に隣合って座って?もしかすっと、、、、?
いやいや欲張りすぎだろォ!俺ェ!
さっきのを見る限りコイツは何も、、、
いや、でも、、、
っつーか!とりあえず落ち着けって!!
荒北は焦りながらペットボトルの蓋を開け、ゴクリ。
勢いよく口に含んだ途端、広がるやたらと甘ったるい何か。
「ブーッ!!なんだコレ!ぬっり!マッズ!!」
荒北はそれを感じた瞬間、吹き出した。
「うっわ!アンタそういうのやめろって!汚い!!」
サッと飛び退く沙織。
その手にはもう半分しか残っていないペットボトルが握られていた。
マジかよ、、、コイツ結構飲んでンじゃナァイ!!
「だってよォ、これはもうベプシじゃねェ!っつーか、テメェよくこんなモン飲めたなァ!」
荒北はゲホゲホと涙目になりながら、沙織の持つペットボトルを睨みつけた。
そんな荒北を見て沙織は更に可笑しそうに笑い、残りの何かを一気に飲み干した。
「プハー!」
やっぱコイツおかしいゼ、、、。