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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第6章 秋は夕暮れ①


「アキちゃんは俺の何だと思ってる?」

はぁ?何だ、それ。
マジで何が言いたいんだよ!

沙織は少しイライラしながら答えた。
「、、、アンタの彼女」
途端、目の前の荒北が吹き出した。
「ブッ!!」
「なっ!」
沙織は突然、プルプルと震えて笑いを堪えている荒北に言葉が出なかった。

え?えぇ!?
何が起きて、、、
ってかなんかコイツ笑ってるー!!

少しして笑いが収まってから荒北は混乱する沙織を見てニヤリと笑った。
その不敵な笑みに沙織の心臓がドキリと鳴った。
「ハッ!バァーカ!今、アキちゃんの写真を見せてやんヨ!!」

は?アキちゃんの写真?
何で!!いや、別に、、、っていうか何か気まずいし、見たくないんですけどー!!

「はぁ!?別に私は、、、」
沙織は目を回しながら手を振った。
「ホラよ!!」
そんな沙織の顔の前に強引にスマホを持ってきた荒北は

「けっこー可愛くナイ?」

そう言ってニヤリと笑った。
そのスマホを見て固まる沙織。

「、、、可愛い」
そう言うしかなかった。
だって実際に荒北のスマホに写し出されたアキちゃんはとても可愛らしかったのだ。

「だろ?」
荒北の口角はさらに上がって、歯茎が見える。
嬉しそうにアキちゃんを自慢する荒北。

「うん、、、」

大きい耳につぶらな瞳。そして小首を傾げるその姿は何とも言えずに可愛らしい。
そうアキちゃんはフワフワの長い毛がなんとも柔らかくて気持ちよさそうな、、、、


コリー犬だった。



「ってか犬かよ!!!」

沙織は叫んだ。そして頭を抱えた。

「ええっ!まさかの、、、アキちゃん、犬!?マジかぁ、、、」

そんな沙織を見て荒北はまたいつもの不機嫌な顔に戻る。

「犬とか言うなっての。アキちゃんは、、、アキちゃんだヨ」

最後の方が小声になる荒北の顔は少し赤い。

「えぇ!?何それ!アンタなに!犬を犬とか言うと怒るタイプ!?ってか、それ待受じゃん!えぇー!?こんな可愛いの待受にしてんだ!!もうーわけが分からない!」

沙織は更に頭を抱えた。

「うっ、、、」
沙織の反応に荒北は苦い顔をした。
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