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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第6章 秋は夕暮れ①


でもさ、諦めたくないんだ。
たとえ君がこっちを見ていなくても

君の顔を見れただけで
こんなに浮かれちまうんだ。


話しかけた時、君が振り向いてくれただけで
こんなに心臓は高鳴って、


君の声が聞けただけで
こんなにも嬉しくて、


君と居られるだけで
こんなに楽しくて、


俺は笑っちまうんだよ。


はは、靖友の言葉を借りれば、
バァカ!
ってやつだな。


だから今は俺じゃなくてもいいからさ


「インターハイ見に来てくれないかな?」


君が居てくれるだけで俺は
誰よりも速く走れるんだ。
これは本当。

「そんで、もし俺が最速の男になったら付き合ってくれない?」

これは冗談。
あまりに楽しくて、つい、、、さ。笑
でも半分は本気なんだぜ?


こんなバカなことを言ったせいかな
君は俺の目をまっすぐに見つめて。
え?見つめてない?
オーケー。それも良し。


あぁ、君の瞳は本当に綺麗だな。
そんなに見つめられたら
目を逸らしてしまいそうだ。
でももう離さない。

見透かされるのが怖かった。
でも今は
君の瞳に見透かされたいって
思うんだ。

少しでいいから
俺の気持ちを見透かして。



そんなことを考えた。
大きな月が光る
夜だった。






俺は一体
あの夜のことを
何度思い返しただろう。




隣に座り
渡したパワーバーに文句を言う
沙織を見て
新開はそう思った。
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