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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第6章 秋は夕暮れ①


彼女の変化に気づいたのはその後だった。
授業の合間に見た彼女は、チラチラと靖友のことを気にしているようだった。
靖友は、、、いつも通り?笑
不機嫌そうに窓の外を眺めていた。
だから教科書でも忘れて、靖友に見せてもらいたいのかなとか思ってた。


昼休み。
クラスの奴らと昼飯を食べていた。
「なぁ、新開。それ、、、一体何?」
俺がまさに食べようとしている物を見て、目の前の友人が顔をしかめた。
「何って、、、チョコバナナ丼?」
答えつつ口に入る直前まで持ってきていた箸で一気に口に運んだ。
「うげ!何それ!どこで売ってんだよ!!って食ったし!」
「美味いよ。食う?」
咀嚼しながらどんぶりを差し出す。
「いらねーよ!!ってか見んのも嫌だ、、、オェー!」
「ったく、何でこんな奴が女子に人気あんのかねー」
「こいつの味覚センスを知らしめてやりてーよなぁ!」
と口々に文句を言われた。

「靖友はふつうに食ってくれたけどな」
ボソっと呟いたけど、まあ、聞こえてないかな。

「ってかさぁ、2組の愛ちゃんが新開紹介してくれって言ってたんだけどどう?」

愛ちゃんって、えーと、誰だっけ?

「ごめん、そーゆーの興味ないんだ」
一瞬考えたけれど誰だとしても関係ないか
と思い直して、笑顔で答えた。
「っかぁ!やっぱりかぁ、、、」
落胆する友人。
「ってか愛ちゃんってあの愛ちゃんか!?何で皆新開ばっかり!?世の中おかしいだろっ!」
そして悶絶するその他。
「えーと、ごめん?」
一応、謝ってみたけど
「テメェー!謝ってんじゃねーよ!!!嫌味か!!」
と首を絞められる俺と逆転する視界。
「ははは、、、」
笑いつつ首を絞め続ける腕にギブアップを申告する。

こういうやりとりも、まぁ、定期的にあって。
何度も断っているのになと溜息が漏れた。
もちろん悪い気分ではないんだけど。


だってさ、本当に興味ないんだ。
どんな可愛い子も彼女には敵わないから。

ほら、な?香田さんの方がずっと可愛い。

って、、、んん?
なんで彼女は逆さまなんだ?

いや違う。逆さまなのは俺で彼女は普通に立っている。今、この俺の目の前に。

「うわっ!」

香田さんに気付いた友人達が跳び退いて、やっと首が解放される。
良かった、、、そろそろ死にそうだったんだ。
って、いや、それどころじゃない。


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