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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第1章 春はあけぼの


学校を出て、駅に近づくころには佳奈はもう普段通りに見えた。
「しっかし、マジでこんな時間まで何してたんだァ?もっと早く帰れただろ」
佳奈は少し困った様子で答えた。
「えっ、えーと。図書室で続きをしてた、、、」
「アァン!?今日の分は終わってたろーが!」
「ゴメン!荒北くんに迷惑かけないように、明日の自分の分だけでもちゃんと終わらせておこうと思って、、、だって荒北くん、もうすぐインターハイなんでしょ、、、?」
それを聞き荒北は頭を抱えた。

俺が急いでたからか!?だからコイツはこんなに気を遣って、、、っつか、何で俺の部活のこと知ってんの?いや、そんなことよりも。

「ッッッとに、バカだよ!テメェは!」
荒北は叫んだ。
「ご、ごめんなさい!結局、荒北くんにご迷惑を、、、」
荒北は佳奈の言葉を遮った。
「ちげーよ!バァカ!!俺とお前はペアだろォが!一緒に協力することは当たり前なんだヨ!お前が迷惑をかけよーが、俺がそれを助けよーが謝ったり、礼を言ったり、そんなモン要らねーんだヨ!まして1人でやるなんざ、論外だ!とにかく頑張れば褒めてもらえるなんて思ってンじゃねーヨ、甘チャンがァ!!」

あぁ、また言ってしまった。

周りはこの怒号に荒北達を避けて通ろうとし、佳奈は口と目を開けたまま固まっていた。

ビックリさせたか?また泣くのか?

荒北は焦った。
こめかみに変な汗が流れる。

何か言った方が良いのか、、、?

しかし次の瞬間、荒北は宙に浮き、そして固いコンクリートの上に落ちていた。
そして間もなく腹に強い衝撃を受けた後、目の前には長い金髪をなびかせたウェイトレスがいた。
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