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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第1章 春はあけぼの


速く速く回せ、俺の足!!
「さっき見たのは確かこの辺かァ!?どこだ!!?」
荒北は辺りを見回し、耳を澄ました。
ガサッ
音のした方へ目を凝らす。
いた!!
林の中、何か見える!
一瞬、女子生徒の怯えた顔が見えた。
「くぉらァァ!!テメェー!そんなとこで何してんだァ!変態野郎がァー!!」
荒北は愛車を乗り捨て、必死で走った。
荒北が着くと、そこには女子生徒だけしかいなかった。
「チッ!逃げられたか!」
荒北の怒号を聞き、すぐに逃げたらしい。
女子生徒の方へ向き直り、荒北はすぐにハッとした。
「お前、大丈夫、、、かよ」
明らかに大丈夫でない岩元佳奈の姿がそこにはあった。
顔を殴られたのかダサイ眼鏡は割れ、顔に傷がある。服は砂だらけでブラウスのボタンは無くなっていた。
「荒北くん、、、?」
眼鏡が割れているせいで荒北と分からなかったのか、佳奈は荒北に気づくとサッと前を覆い俯いた。

荒北は今日会ったばかりだったが、自分の知り合いがこんな目に遭ったことに対して一気に湧き上がった怒りをぶつけた。
「くぉらァ!チビ眼鏡!!なんでテメェはこんな時間に1人でこんなトコ歩いてんだァ!ボケナス以外の何者でもねェ!この平和ボケやろ、、、」
そこまで言いかけて、荒北はすぐに後悔した。
佳奈が泣いていた。

どうして俺ァ、こういう時に優しくできねェンだ。
新開や東堂だったら、こんな場合どうすンだヨ、、、。

「、、、とりあえず上着、取りに行くぞ、、、」

荒北は佳奈を連れて、部室へと向かった。
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