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大体ばくだん岩のせい。

第3章 境界線


○○は全身でそれに反応した。抜き身もいとわず、身体ごとシルビアの腕に縋りつく。切っ先がシルビアの喉元に向けられる前に、○○は剣を床に叩き落した。

その瞬間、
「…!」
シルビアの全身から急激に力が抜けた。弛緩した身体はほとんど伸し掛かるように○○の方に倒れ込んでくる。
「わ、わっ」
慌てて受け止めたが、あまりの重さに押しつぶされかける。何とか踏みとどまり、体勢を立て直すと、
「ん…」
シルビアの唇から小さな声が漏れた。生きている。○○はほっと胸をなでおろした。軽く揺すると、瞼が動き、二三度小さい震えの後に、再び目が開いた。
「○○、あ、アタシ一体…」
――瞳の中に澄んだ光が宿っている。
さっきとは明らかに表情が違った。いつものシルビアだ。元に戻ったのだ。
「よかっ、たあ…」
○○は脱力して、寝台の上にうずくまった。
「よかったって…ちょっと!?」
シルビアは身を起こすと、○○と自分の体を見比べて甲高い悲鳴を上げた。
「ヤダッ、アタシ、ちょっと待って、なにこれ、なんで半裸!?」
「え、そこ、から…?」
愕然とする○○に向き直ると、
「って、○○!アナタも胸見えてる!胸!」
とっさに○○にシーツを投げつけると、乱暴に巻き付け抱きしめた。
「あ、あの、シルビア…?」
「ちょ、ちょっと待って頂戴ね」
シーツでくるんだ○○を抱きしめたまま、シルビアは呼吸を整える。彼の身体は震え、耳の先まで真っ赤になっていた。
「だ、だんだん…思い出してきたわ…」
「そ、そう…?」
○○は天井を見上げる。こういう場合、自分は一体どういう顔をしたらいいのだろう。どこを見て、何と声をかけたものか。
しかしシルビアは、
「あ、アタシ、なんて謝ったらいいか…○○…とんでもないことを…」
「だ、大丈夫…ではないんだけど…確かに…」
そこで、二人同時に長いため息を漏らした。
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