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【弱ペダ・巻】追いかけつつ、追われつつ

第1章 窓辺の君


と、次の日の登校中、教室の移動中に会ったらどうしようか、いやどうしようかと言うのは言い訳をどうしようという事ではなくて···と考えていると歩道に名の姿。けれども自分はバイクなのでとまた言い訳をして名を抜かしていった。
(これじゃ、どんどん気まずくなるだけだ)
わかっている。いるのだけれどその一歩が踏み出せない。参ったなと思いながらその日を過ごしていき
「はぁ」
と、ため息が出てしまう放課後。その日1日名とすれ違う事はなく、いつもの様に部活中あの窓辺を見れば名の姿。だが、こちらに反応する事はなく
「はぁ・・・」
「巻島さん!ど、ど、どこか具合でも悪いんですか?!」
女に面識はなさそうだなと小野田を見て、大丈夫だと伝える。そして、次の日も会う事がなく、今日もこちらを見ることはないかと思い窓辺を見れば、目が合う。見間違いかと思い再度確認してみれば、今度は手をふられていた。つい笑みがこぼれ、部活の休憩中携帯を出し、東堂の連絡などお構い無しに名にやっと返信した。


あの日、いつもの様に図書室で本を読み、視界の端で巻島先輩がちらついたので様子を伺ってみれば、初めて巻島先輩と目があった。すると、巻島先輩は息をきらしながら足を止め自転車を止めてしまい、レースなんだと思いこんでいたこともあり、つい心配になりさっそく連絡をしてみたが、待てども待てども連絡が返ってこない。けれども帰り際、外を見ると部員達と元気そうな様子が見れて一安心していた。なので、
『返信遅くなって悪かった。あの時のは驚いただけだから大丈夫だ』
と初の連絡がワンテンポ遅くやってきた。無事に連絡が送れていた事に安心し、丁度外を見ると巻島達が帰って行くので、様子を見守っていると巻島だけが皆と別れて校舎側に向かい携帯をいじりだす。まさか、その動作はメールをうつもので、まさかその宛先はと思っている名の携帯に連絡の合図がした。
あの時、巻島は返信が遅れた事を自分が気にしてる程名が気にしてない事に安堵し、気持ちが落ち着き、普段通りに接してくれる名に嬉しくなり、あーだこーだ理由をつけて考えている事が馬鹿らしくなり連絡をした。その後、大胆にも再度名に連絡し、一緒に帰ろうと誘ったのだった。
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