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【弱ペダ・巻】追いかけつつ、追われつつ

第6章 無名


意外な質問に驚き、即答する名の隣では照れる巻島。
「仕事後は兄と思ってもらって良いから。妹も欲しかったんだー」
「お、お兄さんっ!」
「名、兄貴にのるな!」
そうやって挨拶も終え、仕事場を後にして家につけば
「広い・・・」
「これでも狭い方だけどな。広いって思うならまぁ良かったっショ」
と巻島の家につくとカシャー、カシャーと荷物も置かず部屋を撮りまくる名。
「撮るなって」
と笑って見守っているとピコンと鳴る送信音。
「コラ、送るなっショ」
「大丈夫。坂道にだから」
「・・・お前ら本当に仲良いのな。てか坂道の彼女に怒られんじゃねーの」
大丈夫大丈夫。その二人を引き合わせたのは自分だしと荷物を置くため部屋をうろつく名と小野田はこの数年ですっかりお互いを名前で呼び合う仲になり
「兼用の自室はこっち。で、寝室は俺と一緒」
「え?」
「なんだ嫌だったか?」
「ううん。いや、きっと別々だと思ったから」
と名も巻島に対して丁寧語を使わなくなり
「裕介さんと一緒で良い」
と嬉しそうにした。
大きめの窓から覗く外の世界。
今思うと、いつだって巻島は外にいて、自分の周りを変えていく。
「何っショ」
「ううん。図書室で出会ったのが懐かしいなって」
そう言う名に、あの時、思いきって図書室に顔を出したかいがあったと染々とする巻島。あれがなければ、名は自分を追っては来なかっただろう。
「よくここまで来たっショ」
「最初に来たのは裕介さんだよ」
「違わねぇ」
そうしてキスをし、抱き合い、今までの分を埋めるかの様に日々を送る二人。
そして、一度帰国した名が再度来た時は本当に二人での生活を送ることになり、式を上げるために帰国してからは、巻島と名乗り、いくつか家を変えたがいつでも窓がある部屋を探してはそこから始まる生活を楽しみ、辛い時もお互いを支えながら幸せに過ごしていった。



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