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【弱ペダ・巻】追いかけつつ、追われつつ

第5章 近づく再会


「はい、小野田君の分!」
会計から帰ってきた名から渡されたのは
「わ、僕の分までラッピングしてくれたの!?」
とラッピングが施された小野田の分。
「まぁ、手袋自体は小野田君のお金だけど」
そして、少し照れながら
「裕介さんが行ってからいつも一緒に居てくれたでしょ?ラッピングはその気持ち!まぁラッピング代じゃ安すぎるけど」
と笑顔で渡されたそれは、小野田の心をとても温かくさせた。
「小野田君、小野田君写真撮ろう!」
そうして名とツーショットを撮り、その足でコンビニで印刷を済ませ、内一枚を小野田に渡し
「海外への発送って何時ものエアメールの延長?」
「送料ってどうなるんだろうね?」
と、もう一枚は巻島へプレゼントと共に送られた。今回ばかしはお互いの手紙も一緒に同封し、連名で送り
「なんだコレ」
と荷物を手にした巻島を笑わせた。合格を祝うのと同時に写真を見て、二人が今まで仲よくやってきた事に安心し、少し嫉妬し、
「三人でお揃いとか恥ずかしすぎるっショ」
と、照れくさい気持ちで手袋の礼を書いた。
しかも連名で、それが日本につけば
「へ、返事が、連名なんてあるかぁぁぁ!」
と怒る名と
「ま、まぁまぁ。内容はきっと同じだと思うし仕方ないよ」
と、それを宥める小野田のやり取りが起きることなんてつゆ知らず。案の定プレゼントは普段用になり、身に付けてる間や、目については二人を思いだし心が暖かいくなっていた巻島だった。
「彼女ちゃん、専門受かったんだって?」
「ん?あぁ、まぁな。来年からだ」
とある晩。兄との会話で話にあがる名の存在。
「服飾だろ?大物になってくれたらうちで働いてほしいもんだ」
「おいおい。まだ入ってもないのに言う事か?」
そうなればそれはそれで楽しそうだなとにやけてしまう巻島。英語も頑張っている様だし、服飾の技術が身に付けばそれも可能だろう。頑張ってるよなと思うと、はっとした。
「愛されてんのな」
と笑う兄は全てお見通しの様だった。
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