第4章 別れ、再会、しばしの別れ
「電話は時差あるからな。メールになったところで返信しねぇかもだけど」
「え、してくださいよ!」
とつっこむ名がおかしく
「気ぃ向いたらな」
とまた頭を撫でる。
「ホントに巻島は苗が好きだな」
とそのタイミングで買い物から帰ってきた金城に言われ、本当にな!と田所が隣で笑われ照れる巻島。
「ならもっと連絡ください!!」
「それはだなぁ」
と面倒くさそうにする巻島と食い下がらない名のやりとりに
「彼女位は頑張ってやれよ巻島」
と二人に笑われ、名の合宿先まで車で向かう。
「じゃぁな」
「はい。先輩達もお元気で」
挨拶を交わして出発し、玄関先でこちらを見送る名が見えなくなる
「会えて良かったな」
「小野田も苗も二年生の顔つきになった」
そんな二人の会話を、後ろの席で名を送る間繋いでいた手の感触を味わいながら聞いていた。
「会わねぇつもりだったがこれはこれで良かったっショ」
「だな。手嶋達も明日がラストだ」
「きっと最後まで繋いで行ってくれるはずだ。」
そう意気揚々と話す前二人を見ながら、帰ってきたらもっと怒られると思っていた巻島は周りの優しさを実感していた。
「明日帰りたくねぇーなー」
と笑えば二人にも伝染するのが分かり、この先も友と呼べる関係のままでいたいと願いながら車に身を預けた。