• テキストサイズ

【弱ペダ・巻】追いかけつつ、追われつつ

第4章 別れ、再会、しばしの別れ


「違うっしょっ。つーかなんでここに?!」
「東堂さんが教えてくれましたっ!!」
で、ぽいって何ですか?と話が戻り、名に責め立てられる巻島を放ってクスクスと笑いながら金城達は飲み物を買ってくるとその場を去って行った。そのタイミングで名は少し落ち着き
「彼女出来てないんですか・・・・」
と二人、車を背もたれに並んでそうきかれる。
「だからそう言ってんショ」
「モテモテじゃないんですか?」
「モテてーけどな。残念なことにさっぱりだ」
巻島が虚しいわといった風に笑い隣を見ると
「・・・・そんな哀れんだ顔で見るなっショ」
と名の表情につっこんでしまう。
「残念でしたね」
返ってきた言葉に冷たさを感じ
「・・・冷てぇなぁ」
と返せば
「連絡よこさないからですよ」
とつーんとした態度をとる名に、去年の先輩後輩の関係が薄れてきた感じがして嬉しくなる巻島。そんな事をよそに
「・・・・別れたいなら別れたいって言ってください」
と名は深刻そうにする。
お互いに好きなやつができるまで、遠距離に耐えられるまで、待ってていいと思えるまで。色々理由はあるけれど、なんでか最後はそれまでは付き合うかと続くのは、そういう事なんだと思う。けれど、そう言う理由を付き合う時に名が引き受けてくれていたのだ。
「でないと私が別れたいと思うまでずっと付き合ってる事になりますよ?手紙も毎回きますよ?」
と名が続ける。不安気な顔、けれどもそれは無駄な心配な事を知っている巻島にとってはただただ、名が自分の事を想ってくれていると満喫できるもので
「名」
と久しぶりに名前を呼べば振り向く名に愛しさを感じながら
「それで良いっショ」
と名の髪をくしゃくしゃにし、後ろの車からメモ張だかの紙切れに連絡先を書いて端を破り
「連絡先だ。坂道にも教えてやれ」
とスマホの番号とメールアドレスを渡した。受けとると同時に
「デジャブ・・・」
と呟く名に
「あぁ、あの時もこんなだったな」
と笑う巻島。
「・・・東堂さんには?」
そう聞かれて
「電話番号だけはやるな」
と釘を刺す。
/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp