第2章 不思議な関係
そう言ってまた髪をかきあげて巻島は笑った。それから二人で話し合い、晴れてその日から二人は付き合うことになった。家についたら連絡してくれという巻島に
「心配症ですね」
と返せば
「うるせ。ちゃんとしろよ」
と頭を撫でてバイクを回して去っていく。
『9月から海外に行っちまう』
「は?」
「まぁ、そういう反応だよな。」
と苦笑する巻島。
「前に進学先きいてきたろ、あれだ。兄貴が海外で仕事してて、その手伝いも兼ねて俺は留学だ」
「そ、な、だっ、でも新学期は四月から」
「あっちの新学期は日本と半年ずれてる」
名が考えていたダメ男の理由ではなく安心はするが、事実は事実で落ち込んでしまう。
「名の事は好きっショ。お前も俺を好きだと言ってくれた事は嬉しかったっショ。」
ありがとなと頭を撫でてくる巻島に
「い、良いです!それでも初めて付き合うのは先輩が良いです!」
と返してくる名。
「けど期限つきって分かってるっショ」
「先輩は私と遠距離恋愛する気もなしですか!?」
「いやいや、お前初めての彼氏だろ?だったら尚の事こんな、わざわざ遠距離になる様な奴と付き合うより、もっと別の誰かと」
「先輩は私が他の人とくっついても良いんですか!?」
「まぁ・・・・俺が居る間はやめてほしいけどな」
無茶苦茶だよなと笑う巻島に、大人しくなる名。
「私と遠距離する気ないんですか?」
「お前聞いてたか?遠距離する位なら他の」
「他って誰ですか!居ませんよ!」
「何年行くかも分かってねぇんだ」
「・・・・だから私は遠距離でも良いって言ってるんですから、先輩はどうなんですか?私への好きはその程度ですか?!」
さっきから先輩、先輩と、また名前を呼ばなくなってるし、付き合うかに関しては悩んだ据えの覚悟だというのにその程度かときいてくる。そもそも視界に入ってきたのはそちらの方だろ
「んな訳ねぇだろ。どん位悩んだと思ってる。名が言ってくる前からずっとっショ!」
言った後、少々強めに言ってしまい申し訳ないと思っていると