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【弱ペダ・巻】追いかけつつ、追われつつ

第1章 窓辺の君


「先輩つけなくてすみません。」
と気にするポイントの違いに思わず笑ってしまい
「別に後輩もさん付けだし俺も気にしてないっショ。むしろ名前で呼んでくれたって構わねぇし」
ポンっと頭を撫でた後、自分が言った事に気づく。おかげで名は真っ赤になっていて
「べ、別に名があれだったら無理に呼ばなくてもいいからな」
「はっ、はいっ」
そして、少し色めいた空気が流れてる間も名は勉強を続ける。
「あ、あのここ教えてください、その、ゆ、ゆー、裕、介、さんっ!」
反応がない事に恐る恐る名が巻島を見ると固まっている巻島。
「や、やっぱり名前呼びは勇気がいりますねっ」
そうやって勉強に向かい直す名を見て
(い、今すぐ抱きしめてぇ!!!)
と大騒ぎな心境を落ち着かせながら一息ついて
「あーあれだ。な、名前呼びはあれだ。二人だけの時にしよう。」
と、名がきいてきた箇所を説明しながら提案する。こんなに近いのに、恥ずかしくて顔を見られない。
(じゃないと俺の身というか心がもたないショ)
小野田達が一緒に居るところで呼ばれたら真っ赤になってしまい、みっともない。
「だから二人だけの時にしてくれ」
こちらとしては場の空気を和まそうと明るく言ったのに、はいと返した名の雰囲気は少し元気がなかった。それからは変な空気はなくなり、時間が進む。巻島としては落ち着いた和やかな空気感と、後ろから見る名のうなじや体つきから来る妄想でむせ返りそうになりながらこの時間を楽しんでいた。
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