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【暗殺教室】偽る君へ

第2章 依頼の時間


「柊夕です。よろしく、お願いします…?」


烏間さんが訪ねて来てから数日。
すっかり梅雨は明けて気分爽快。
柊さんが言った通り、編入試験は何の問題もなくクリア。難なく編入出来た訳なのだが……


護衛対象である3年E組の生徒たちから何故か疑惑の視線を浴びせられている。
言うなれば、完全アウェイ。皆が皆私を警戒している。私の希望で男子生徒として変装しているけれど、どこもおかしくはない、はず……

いや、それよりもおかしいのは。


「皆さん、そんなに見つめては柊君が困りますよ。ささ、笑顔で、ほら」


にんまりと口の端を伸ばすのは、このクラスの担任。身長……体長は3メートル近くあるだろう。それから髪はなく満月のような顔。

そして。

バナナのように黄色の身体には、何本も足が生えている。完全に見た目はタコだ。黄色い火星人と言ってもいいぐらい。


「えっと、殺せんせーだっけ。これを3月までに倒せば良いんでしょ?」

「あの様子だと政府からの転入じゃないっぽい?」


そこかしこで内緒話が始まった。まあ筒抜けだけど。

どうやらこの黄色い火星人を殺すために、ここの生徒は日々攻撃を仕掛けている模様。政府も動いているが、これが曲者で。
政府からの刺客は私の同業者。彼ら生徒のことを考えない輩もいたらしい。


そんな彼らを護衛し、タコの……殺せんせーの暗殺もしてほしい。それが烏間さんもとい、烏間先生から課せられた仕事だ。
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