第1章 東京大雪
布団の中でも手足や耳鼻が痺れるほど冷えて来た頃、オレの額にチラチラと雪が降りかかった。
ガバッと身を起こすと、白い着物を来た白い女が、雪を身にまとい、オレの布団の脇に正座していた。
暗い空間に、浮かび上がるように白い美女。
オレは彼女に向かって手を伸ばした。
「会いたかったぞ」
彼女はニコリとオレに笑みを返した。
ギュウと強く抱きしめると、その体はヒンヤリと冷たい。凍りつきそうなくらいだ。
構わず彼女の頬を両手で包み、キスをした。冷たい。けれどとても艷やかだ。
舌を挿し入れると、彼女も口を開いて、オレに応えるように舌を絡ませてきた。溶けないアイスクリームみたいな舌を、オレはしゃぶり続けた。
口を重ねたまま、ゆっくりと彼女を布団の上に押し倒す。彼女はオレの背中に手をかけ、オレの動きに従った。
ちゅうちゅうと彼女の口を味わいながら髪を撫でつける。粉雪みたいにサラサラしていて、指の隙間からこぼれそうだった。
「ちゅう…ん…はあ」
唇の隙間から声が漏れる。舌で上顎を撫でてやると、くすぐったそうに口をすぼめた。