第5章 "ほ…惚れたのだよ…!"
家に入ると早速自分の部屋に行き、携帯を取り出した。
メールの中身もまだ見ていないのに…身体がガクガクするような感覚。
ゆっくりと手順を踏み、メールBOXを開く。
赤司『今日は驚かせてしまってすまなかった。でも、僕の亜美に対する気持ちは本物だよ。少しでも、亜美が僕を好きなら明々後日の部活終わり。体育館で話がある。』
絵文字も記号を何もないサッパリしたメール。
でも、私は読み終わった瞬間身体の力が抜けた。
亜美「明々後日かぁ……」
明々後日といえば春合宿の前日だ。
合宿前の最後の練習なのに、大丈夫なのだろうか…?
とりあえず、行かなきゃな。
私は簡単に食事をし、お風呂に入り、早々と寝ることにした…
…明日、緑間くんに話そう。
色々心配してくれたし。
気がついた時にはもう夢の中だった……。
……………
次の日。
憂鬱な朝のSHR。
担任の自称熱血教師の熱い熱弁を聞くのもいい加減飽きたとき…。
"ガラ ガラ"
緑間「失礼するのだよ。」
突然教室のドアが開いたと思いきやそこから緑間くんの姿が!
そういえば、今までいなかったような。
「おい、緑間遅いぞ。何やってたんだ?」
先生のイラついた言動にもビクともせず、鞄を置きながら緑間くんは冷静に言った。
緑間「寝坊なのだよ。」
その言葉に教室中がポカーン…。
先生さえも返す言葉がない。
いや、それはむしろ当たり前で…。
授業も部活も決して時間にはキッチリしているはずの緑間くんが、遅刻なんてあり得ないからだ。
しかも、理由が寝坊。
完璧おかしい…。
「と、とりあえず。緑間はあとで職員室に来るように。以上だ。解散…」
先生の号令と同時に一斉に緑間くんの周りに集まるクラスの皆。
でも、緑間くんは見向きもせず、なぜかこちらへ歩いてきた。
そして、私の席の前で止まる。